405号線 迷子
それまで走ってきた405号線とは明らかに雰囲気が違っていました。
そして、高度が増すとともに濃霧に包まれてきました。
視界は10メートル以下でしょうか。
日中にもかかわらず、ライトの灯りが霧に反射して光線が霧に映ります。
昨日の憂鬱な気分で走っていた国道とは違い
先の見えないシチュエーションというのはわくわくする気持ちになってきます
途中いくつも分岐している道
その別かれ道はどちらに行けばいいのもか判別できません
申し訳程度の表示があるですが、津南も十日町の文字も見当たらない
さて・・・困ったな
当てずっぽうに右に行ったり左に行ったりしているうちに
完全に方向を失ってしまった
そんなことを繰り返して行くうちに
狐につままれたように、さっき走った道に戻って来てしまった
まったく予想外で呆気にとられました
ポツンと、沿道の赤いトタン屋根の小屋に覚えがあったのです
『ふう・・・』
冷静になろうと一服
心細さはありますが、まさか舗装路で遭難するなどとは
思いもしません。
霧が晴れたら民家の庭だった。なんてことだったら恥ずかしい・・・
今の私は迷子なのです
そんなことよりも、この山道をクリアしようする
ゲーム的感覚がありました。
霧の中からゾンビが現れたら恐ろしいけど
いまのところ燃料は十分。
携帯缶は∞無限弾ほどの頼もしさがあるのです
私の描いた地図には、分かれ道はないのです
とにかく、さっきとは違う方へ曲がってみるしかありませんでした
このあとも、わけのわからない分岐がいくつかあって
途中まで走ってはUターンを繰り返しました
せめて『⇒405』くらいの表示があったら・・・
車が通りかかったら、道を塞いででも道を尋ねるつもりだったのですが
かれこれもう1時間以上は走っているのに
軽トラもクマも見ない。。。
彷徨うように山の中を走っていると
ふいに霧が解けてきました
晴れたというより、霧の下に出たというか
雲から抜け出たような感じです
すると、遠くに津南か十日町とおぼしき町の姿が見えました
そこで濡れたグローブをギュッとしぼり ライトカウルの内側に
畳んであるタオルを取り出して、ゴーグルをキュッキュッと拭い
もうひと踏ん張りだと気合を入れ直しました
TIME的にはすでに『GAME OVER』と言ったところか・・・『EASY』で。
その後、どうにかこうにか麓に辿り着きましたが
この山道から里に出てきたときのこの気分。
充実感と達成感があって久々に楽しめました
津南方面)
津南駅前から信濃川を越えて
見覚えのある117号線に出て
旅の初日でも立ち寄ったコンビニで安堵の休憩
おもむろに、盆踊りの『ドンドコドン、ピーヒャララ』と、音色が
風にのってふわふわ聞こえてきました
盆踊りでは必ずと言っていいほど耳にするあの民謡
『真昼間から踊ってるのだろうか?』
この辺りは旧暦で行事が行われているようです
ちょっと盆踊り会場へ行ってみたくなった
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